リノベーションでかっこよくおしゃれな空間にしたいのであれば、スケルトン天井がおすすめです。天井は、床や壁と同様にインテリアの要素として大きな面積を占めるパーツであり、部屋の印象を大きく左右します。この記事では「スケルトン天井ってどうなんだろう」と検討している方に向け、メリットやデメリット、リノベーションの際の注意点を紹介します。
<目次>
1.スケルトン天井とは
スケルトン天井とは、パネルや内装を取り払い、建物の骨格部分が見えている天井のことです。「むき出し天井」や「躯体現し」と呼ばれることもあります。
通常、天井は下地を組んでボードを貼りクロスや塗装で仕上げますが、スケルトン天井ではそれらを取り去ります。建物を支える骨組みであるコンクリートを隠さずそのままに、梁や配管なども見えている状態です。
個人の戸建てやマンションだけでなく、開放的でおしゃれな雰囲気を演出したいカフェや美容室、オフィスなどでも採用されています。
2.スケルトン天井のメリット
コンクリートをむき出しにしたスケルトン天井が、カフェやオフィスで採用されるのには理由があります。ここでは、スケルトン天井のメリットを紹介します。
2.1.デザイン性が高い
スケルトン天井はそのデザイン性の高さから、おしゃれなカフェや美容室などでも採用されることも多いです。
特に、インダストリアルテイストやブルックリンスタイルなど、無機質で男前な雰囲気のインテリアスタイルによく合います。
スケルトン天井似合うスタイル | 特徴 |
インダストリアルスタイル | ・「工業的な」という意味 ・無骨でスタイリッシュなスタイル ・金属やコンクリートなど無機質な素材に、木材やレザーを合わせる |
ブルックリンスタイル | ・アメリカ・ブルックリン地区をイメージ ・古い工場や倉庫を改造し、おしゃれな住宅やカフェに ・レンガやコンクリートなどの無機質な素材に、木材や観葉植物を合わせる |
スケルトン天井が活用できるのは、上記のような無骨な印象のスタイルだけではありません。たとえば、むき出しのコンクリートを白く塗装することで、きれいめスタイルのインテリアにも対応できます。
照明はダクトレールでスポットライトやペンダントライトなどを採用したりすると、より統一感のあるおしゃれなデザインに仕上がるでしょう。
2.2.開放感がある
低い天井は圧迫感があり窮屈な印象を受けることもあります。一方、スケルトン天井は床から天井までが高いため、開放感が感じられるでしょう。
スケルトン天井では、既存の天井を取り払うことで「天井の懐」の部分が開放されます。天井の懐とは、上の階の床と、もともとの天井に挟まれた部分のことです。
スケルトン天井にリノベーションし天井の懐部分を開放することで、元の天井よりさらに数10cmほど高くなります。
このように、天井高さが高くなることで空間として広がりが出るため、スケルトン天井を採用すると部屋を広く感じやすいです。
2.3.メンテナンスコストの削減
天井の仕上げに一般的なクロス貼りを採用すると、10~15年ほどで汚れや変色が見られます。見栄えが悪くなってしまうため、定期的に張り替えなどのメンテナンスが必要です。
スケルトン天井の場合はクロスを使用しないラフな仕上げのため、汚れや色褪せが目立ちにくいです。リノベーションするには費用がかかりますが、長い目で見るとメンテナンスコストを削減できるでしょう。
2.4.古い配管を一新しやすい
築年数が経った建物は配管やダクトが劣化している場合がありますが、通常は天井裏に隠れているのでなかなか気付きません。
スケルトン天井のためのリノベーションをすると、クロスやボードを撤去するため、配管やダクトなどが目に見える状態になります。
劣化している場合はリノベーションの際に取り換えると、今後も安心して暮らせるでしょう。
3.スケルトン天井のデメリット
スケルトン天井はおしゃれでメンテナンスコストも低いなど、さまざまなメリットがありますが、デメリットもゼロではありません。以下のデメリットも踏まえてリノベーションを検討しましょう。
3.1.外気の影響を受けやすい
スケルトン天井にするためには、天井の石膏ボードやクロスを撤去する必要があります。撤去により空気の層がなくなると、外気の影響を感じやすくなります。
夏場は熱く・冬場は寒い部屋にならないよう、対策も合わせて行いましょう。天井の断熱性が下がる分、断熱の効果の出やすい窓を二重サッシにするなど、他でのカバーを検討してみてください。
3.2.冷暖房効率が低下する
スケルトン天井は天井の仕上げを取り払い、その分空間が広がります。開放的な作りになる一方で、冷暖房などの空調が効きにくくなります。「エアコンをガンガン使用しないと涼しくならない!」というケースもあり、今までより光熱費がかかる可能性もあるでしょう。
対策方法としては、外気の影響の対策同様に、壁や窓など天井以外の断熱性を強化するのがおすすめです。窓を二重サッシに変更するなどさまざまな対策方法がありますので、打ち合わせの際に相談してみましょう。
3.3.上階の音が気になることがある
マンションなど集合住宅でスケルトン天井にすると、上階の生活音が聞こえやすくなることがあります。足音や水が流れる音、話し声などが気になるかもしれません。快適な暮らしのためにリノベーションを行ったのに、ストレスが溜まるようになっては本末転倒です。
対策として、事前にマンションの構造を確認するのがおすすめです。コンクリート床のスラブの厚さや管理規約で床の防音規定などもチェックし、防音性に問題がなさそうであればスケルトン天井の採用を検討すると失敗が少ないでしょう。
4.スケルトン天井の注意点
メリット・デメリットを踏まえてスケルトン天井の採用を決めたとき、2点把握しておかなければならないことがあります。ここでは、スケルトン天井のリノベーションを行う前に知っておきたい注意点を紹介します。
4.1.工事してみないとわからないことがある
天井の構造や広さは図面で把握できますが、現状は工事を始めてみないとわかりません。天井を解体してみると、躯体のコンクリートが劣化していたり、工事の際のボンド跡が残っていたりすることもあります。特に築古で中古の住宅の場合、設備が設置されていた跡が残っているなど、コンクリートがきれいな状態じゃない可能性があります。
たとえ想定と違う天井になっても、それらも味として楽しめるか事前に想像してみてください。コーディネートで目立たなくなる場合もありますが、塗装なども視野に入れておくと柔軟に対応できるでしょう。
4.2.スケルトン天井にできない場合もある
「いざリノベーションを始めようとしたら、スケルトン天井にできなかった」というケースがあります。
たとえばマンションの最上階は天井躯体全面に断熱材が施工されており、スケルトン天井にできないことがあります。天井からの熱の影響を考え、コンクリートを露出させられないのです。
その他にも、上階の配管に影響があるなどマンションの規約によってできない場合もあります。また、そもそも天井懐の無い直天井の場合はスケルトン天井にはできても、天井高さを上げることができないため、注意が必要です。施工前に規約や天井内の確認をしておきましょう。
5.スケルトン天井でおしゃれ空間へ
スケルトン天井とは、パネルや内装を取り払い、あえて建物の骨格部分を見せる天井のことです。デザイン性が高く開放感があるため、おしゃれなカフェやオフィスでも採用されています。一方で、外気の影響を受けやすく冷暖房が効きにくくなるというデメリットもあります。理想的なインテリアスタイルのためにスケルトン天井を採用したいのであれば、事前の綿密な打ち合わせが欠かせません。
IDA DESIGN(株式会社IDA Company)は神戸市灘区を中心にリノベーションを手掛ける地域密着型の会社です。スケルトン天井へのリノベーションに関する問い合わせや、見積もりを承っております。おしゃれで住みやすい理想的な住まいを作るために、まずは気軽にお問い合わせください。