リノベーションを機にオーダーメイドの家具「造作家具」を選択しませんか?
造作家具は日々の暮らしやすさ、使い勝手の向上を目的としたときに、ぴったりの選択肢です。
インテリアの統一感やデザイン性も重視している方にも適しています。
この記事では造作家具の種類やメリット・デメリットを解説します。
<目次>
1.造作家具とは
造作家具とは、建物の空間に合わせて設計・製作されたオーダーメイドの家具のことです。「オーダー家具」や「造り付け家具」と呼ばれることもあります。
建築用語における「造作」とは仕上げ前の取付工事のこと。つまり、造作家具は天井や壁、床などに固定された作り付けの家具を指します。
造作家具の具体例としては以下が挙げられます。
・本棚等の壁面収納
・テレビボード
・キッチンや一体となったダイニングテーブル、カウンターテーブル
・洗面台
など
家具は既製品を購入して設置するのが一般的ですが、部屋のサイズやデザインにぴったりな家具を探すのはなかなか骨が折れるものです。
ときには理想的な家具が見つからず、妥協することもあるでしょう。
一方、造作家具なら設計から素材選びまで、一から行うため空間にあったオリジナルな家具ができるのです。
リノベーションで理想の空間を演出するひとつの手段として造作家具が活躍します。
1.1.造作家具の工事の種類
造作家具には「大工工事」と「家具工事」の2つのタイプに分かれます。
どちらも空間に合わせた家具という意味では同じですが、それぞれ制作する過程が異なります。
大工工事はリノベーションの現場で大工さんが制作する方法です。
大工さんの現場での作業と家具製作の作業費を組み込めるため、比較的コストを抑えやすい傾向にあります。
現場の状態を見てサイズを調整したり、周囲と色をあわせたり。周囲と調和がとれた家具を作りやすいでしょう。
ただし、現場での作業では使える機械が限られています。
後述の家具工場よりも複雑な加工などができないほか、精度が低くなる可能性もゼロではありません。
一方、家具工事とは家具職人さんが家具製作場で制作したものを現場に運び、取り付ける方法です。
建築現場での作業ではなく家具工場にて制作するため、各種機械を使用でき精度が高く、高品質なものを作れるのがポイントです。
搬入据付費など現場でつくる大工工事にはない費用が発生するため、比較的コストがかかる傾向にあります。
2.造作家具のメリット
造作家具は既製品と比べ、以下のようにさまざまなメリットがあります。
・空間を有効利用できる
・インテリアの統一感を出しやすい
・デザイン性を高くできる
・使い勝手がよい
・耐震性がある
ここでは、リノベーションで造作家具を採用するメリットを紹介します。
2.1.空間を有効利用できる
既製品の家具を配置すると、数cmだけ隙間ができてしまうことも多いです。
もちろん家具として使えはしますが、隙間が気になったりほこりが溜まってしまったり、小さなストレスがかかります。
造作家具は空間に合わせてオーダーできるため、ぴったりサイズの家具が作れます。
梁や柱が邪魔で家具が置きにくいスペースでも、無駄な隙間なく作れるため、空間を広く使えます。すっきりと洗練された仕上がりになるでしょう。
また、無駄な隙間がないためほこりが溜まりにくく、お掃除の手間も少なくてすむのもメリットです。
2.2.インテリアの統一感を出しやすい
造作家具はカラーや素材、テイストなど、空間にあわせて一からデザインが可能です。
既製品と比べてインテリアの統一感を出しやすいでしょう。
リノベーションの際にはデザイナーと一緒に、空間のデザインに合わせてどのような造作家具を置きたいか考えられます。
床や壁の素材を活かしたり、建具の色に合わせたりすることで、空間に馴染んだ家具を配置できます。
2.3.デザイン性を高くできる
既製品の家具は多くの人に購入してもらえるよう、無難で似たようなデザインが多いです。
ホテルスタイルのようなシンプルなテイストの住まいであれば困りませんが、こだわりのある個性的な空間を作りたいときには家具探しに苦労します。
造作家具なら空間にあった素材選びから始まり、塗料やサイズ感まで完全オリジナルのデザインを実現できます。
取っ手のデザインにこだわったり、内装と同じ塗料を使ったりすることも可能です。
既製品では叶えられない高いデザイン性を求めている方にも適しているでしょう。
2.4.使い勝手がよい
既製品の場合、デザインがよくても使い勝手がいまいちなこともあるでしょう。
造作家具なら「もう少しこうだったら…」という希望が叶えられます。
たとえば、収納力をもたせたり、希望の高さに引き出しを設置したり。
手元を照らす照明を埋め込むことも、扉をつけて中が見えなくすることも、思うがままです。
欲しい機能や使う人の体格に合わせて作れるため、痒い所に手が届く使い勝手のよい家具が作れます。
使い勝手がよいと散らかりにくくなり、家事も楽になるでしょう。
2.5.耐震性がある
家具はデザイン性や機能だけでなく、安全性も大切です。
特に地震発生時の家具の転倒、落下は直接的な被害を招きます。避難経路を塞いでしまったりといったケースも考えられるでしょう。
造作家具は天井や壁、床などに固定されていますので転倒や落下の心配がありません。
デザイン性はもちろん、耐震性を心配している方こそ造作家具を検討してみてください。
3.造作家具のデメリット
造作家具は多くのメリットがありますが、以下のデメリットもあります。
・納期がかかる
・完成するまで現物を確認できない
・価格が高くなりやすい
ここでは、リノベーションで造作家具を作る前に知っておきたいデメリットを解説します。
3.1.納期がかかる
造作家具は打ち合わせの後に図面を作成し制作するため、既製品を手に入れるのと比べて時間がかかります。
細かな要望を反映させるための打ち合わせはもちろん、一から設計図を作り職人が手作業で作るため、納期が長いのは当たり前のことです。
リノベーションで造作家具を作るときはスケジュールに余裕を持ちましょう。
3.2.完成するまで現物を確認できない
造作家具は当然ながら、出来上がるまで完成品を見られません。
家具販売店で既製品を購入するのとは異なり、図面やパーススケッチ、色見本やサンプルなどで確認しながら作り進めていきます。
綿密な打ち合わせを重ね要望を伝えないと、完成してから「なんかイメージと違う」と、がっかりする恐れもあります。
デザイン担当者としっかり打ち合わせを行い、イメージの共有や希望をしっかり伝えることが大切です。
3.3.価格が高くなりやすい
造作家具は既製の大量生産品とは違い、一点一点オリジナルで制作するためコストが高くなりやすいです。
デザインやサイズ、素材など自由度が高いため、こだわりだすとコストがかかりすぎてしまう場合もあります。
あらかじめ予算を決めておき、コストバランスを確認しながら進めていきましょう。
4.リノベーションで造作家具を成功させるポイント
造作家具を作るときには、制作後の暮らしやライフプラン・ライフステージも考えて検討しましょう。
たとえば、子ども用の背が低い机を造作家具として作ると、子どもが大きくなったときに使いにくくなり、物置になってしまう可能性があります。
造作家具は壁や天井に固定するため、簡単に取り外して移動するといったことが難しいです。
一時的な使用用途や模様替えを楽しみたい場合などは造作家具にせず、置き家具などで対応するほうが良い場合もあります。
反対に、長く使い続ける用途が想定できる家具は、造作家具にするのに向いているでしょう。
なお、造作家具は今の暮らしにフィットするよう作り込むことができる一方、ライフプランやライフステージが変わったとしてもフィットするように、作り込み過ぎないという選択肢も可能です。
用途を限定する作り方ではなく、棚などは固定棚とせず可動棚にして別の用途でも対応できるようにしておくなどの方法も併せて検討しましょう。
5.造作家具で暮らしやすさを向上し、お気に入りの快適な空間を
空間に合わせて設計・製作された造作家具。オーダーメイドで作るため、空間を有効活用できるうえインテリアにあったデザインを作れます。欲しい機能や使う人の体格に合わせて作った家具は使い勝手もよく、愛着が湧くでしょう。
ただし、造作家具は完成するまで現物を確認できません。失敗しないためにも、事前にデザイン担当者と綿密な打ち合わせを行う必要があります。
IDA DESIGN(株式会社IDA Company)は神戸市灘区を中心に住宅や店舗のリノベーションを手掛ける地域密着型の会社です。
ご自宅のリノベーションはもちろん、造作家具のご提案も得意としています。問い合わせや、見積もりを承っておりますので、まずは気軽にご相談ください。