JOURNAL

『竹の造作建具』新オフィス紹介

竹の造作建具

この度、IDA DESIGNは阪急王子公園駅より徒歩3分、水道筋商店街の入り口近くに、新事務所を移転いたしました。

天井高があり、前面サッシも大きく開放的な空間です。

オフィスで働く仲間もそうですが、お客様との打ち合わせなど、たくさんの時間を費やす場所のため、快適さだけでなく、空間を楽しむ要素もたくさん入れ込んでみました。

少しずつですが、こだわりの詰まった事務所の内装をご紹介していきながら、私のデザインの考えなどをお伝えできたらと思います!

第一回は『竹の造作建具』について。

日本の建築の良さをとりいれたい

私はお寺や神社に行くと、どこか居心地がよかったり、殺風景な場所でもちょっと和を感じるようなものがあると、何となく親近感がわいたり心休まるような場面があります。

また、日本の美意識だったり職人技っていうのは、何かしら目から入って心に訴えるものがあるな、というのは常々感じています。

四季のある日本の建築は、自然との調和だったり自然を取り込む力があったり、特に住宅においては自然素材の取り入れ方など優れているなとよく感じています。

そういった日本建築の良さや職人技を、デザインの中に取り入れたいと常に思っています。

自然素材「竹」をデザインにとりいれる

今回、古くより炭や道具などさまざまの生活のシーンに使われ親しまれてきた自然素材の「竹」の要素を取り入れてみました。

竹は和の素材として広く認知されていますが、よくある取り入れ方をしてしまうと、昔ながらのザ・和風なイメージが勝ってしまうケースをよく見かけます。このような形ではなく、開放的で明るい事務所の中に自然と馴染む事ができ、竹の持つ美しさを表現できる方法を模索してデザインしてみました。

「竹」を使った建具ができるまで

まず、竹の素材の実物を見に、滋賀県まで行ってきました。

竹を長年扱っている職人さんを訪ね、乾燥技術、カビないように腐らないようにする技術、薄くスライスする技術をみせていただきました。

そういった技術を駆使し、竹を切ったままの、白い素肌が綺麗な状態のものを半永続的にキープできるよう、また厚みを均一にそろえて加工していただきました。

それを持ち帰り、今度は神戸の建具屋さんと打ち合わせをし、スライスした竹をガラスに挟み込み扉に仕上げていただきました。竹は一見同じように見えても自然素材ということで一つ一つ個性があり、組み合わせ、並べ方を考えるなかで唯一無二のデザインが出来上がる喜びがありました。

「竹」を使った建具のねらい

空間のデザインでよくある課題は、スペースに余裕がないため表現したいことが表現できなかったり、やりたいことをやりすぎると圧迫感がでてしまったりということがあります。そのため何をやって何をやらないかのバランス感を常に重視しています。

今回、狙い通りだったのは、竹を約2センチぐらいの厚みでスライスしているので、まっすぐ正面から見た場合、竹の間から中の様子がうかがえるけれど、少し斜めから視線をやると、全く向こうが見えないけれど何となく抜けてる感じはあるという、ブラインドのような抜け感がでたように思います。

この扉を採用した場所は、個室の打ち合わせスペースの扉ということで、ある程度の独立感は確保しつつ、竹の特性を活かして開放感も持たせることによって、圧迫感なく扉の先の特別感や空気感が出せたのではと思います。

日本の建築の中には、あえて曖昧な境界線を楽しむという側面があるかと思います。

スライスした竹を使うことで、その微妙なグラデーションが作り出せたのではと思います。

「好き」に囲まれて暮らすこと

私は「好き」に囲まれて暮らすというのを、すごく大切なテーマとしています。

「好き」の思いを自分の生活の中や、住宅の中に感じるということは、健康だったり自分らしさに繋がると思っています。

どこに自分の「好き」を詰めるかとなったとき、2つの方法があると思います。

一つ目はよく見る、よく目につく場所に「好き」をディスプレイすること。

お気に入りの絵やオブジェ、趣味のサーフボードや自転車、また小さなアクセサリーやコスメなどでも。自然と目に入ることでテンションがおのずと上がりますよね。

二つ目は、毎日使う場所自体に「好き」を取り入れること。

住まいの空間自体に「好き」を取り入れると毎日が楽しくなる。

例えば洗面室。お気に入りの洗面室なら朝起きて顔を洗うときや、帰宅後の手洗いなど一日に何度も使う。そのたびに「好き」が感じられたら幸せだなと思う。

仮に今回のような扉ひとつでも、毎日なにげに触るものなので、こだわりを詰めることで、自分の「好き」が感じられると思います。

今回は日本の建築にも古くから取り入れられてきた「竹」を、空間に馴染むよう工夫し取り入れたデザインについてでしたが、お客様一人ひとりの「好き」はさまざまなところにあるかと思います。お客様の「好き」を感じられる空間作りのお手伝いをさせていただけたらと思います。

IDA DESIGN(株式会社IDA Company)は神戸市灘区を中心に住宅リノベーションを手掛ける地域密着型の会社です。戸建てやマンションのリノベーションに関する問い合わせや、見積もりを承っております。共働き夫婦が快適に暮らすためのリノベーションについてもご相談可能ですので、まずは気軽にお問い合わせください。

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IDAジャーナルとは
住宅や店舗のリノベーションを手がける IDA DESIGN(アイディーエーデザイン) のコラムです。 リノベーションの基礎知識や、デザインやインテリアに関することを代表ブログでお届けしています。 コラムを通じて、住宅リノベーションの知識を深めつつ、私たちのことを知っていただけたら嬉しいです。

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