JOURNAL

『錯覚壁』新オフィス紹介

こんにちは、株式会社IDA Company(アイディーエーカンパニー)の代表・伊田です。新事務所のご紹介をシリーズでご紹介しています。

第四回は錯覚シリーズ『錯覚壁』について。

『錯覚壁』新オフィスのご紹介4

リノベーションで大切にしていること

IDA Companyは、阪神間で多くリノベーション工事をさせて頂いているのですが、築40年前後、広さは50平米ほどから、大きい時でも80平米ぐらいのマンションのご依頼が比較的多いです。そういった物件のご依頼で求められることが、部屋数を確保したい、収納をたっぷり確保したい、限られた空間の中でたくさんの要素を詰め込みたい、というような内容です。

ご要望を整理し、用途や機能性だけを追求しプランニングしていくと、どうしても詰め込み感がでてしまい閉塞的になってしまいます。

私としては住空間を扱う以上、デザインはもちろん大切ですが、大前提に快適性や安心、安全を大切にしたい。人間が快適に暮らすために必要な光や風というのをとても大切に考えており、それをまずクリアした上で、どれだけ自分らしいデザインで暮らせるかというのを考えるべきだと思っています。

リノベーションでの課題

リノベーションの設計においては、先に述べた通り、「どうやって詰め込んだことでの閉塞感の解消するのか」が課題となるケースが多くあります。

今回のIDA Company事務所の設計段階でも、応接間の役割の部屋について同じような課題がありました。そもそも天井高さがあまり取れないことでの圧迫感や、スペース的に余裕がないことでの閉塞感、というようなことが懸念されました。限られた空間の中でいろいろ詰め込むとこういったケースがでてきてしまいます。

そういった場合の解決策として、空間に抜け感を出すといったことを意識します。自然と視線を少し先に向けてもらうために色彩や素材で見せ方を工夫したり、室内窓を設けて単純に視線を先に持っていくことを採用し圧迫感、閉塞感を緩和することがあります。

この応接間でもそのような工夫を取り入れたのですが、一部全く抜けない壁があったので、さらにもうひと工夫が必要でした。

開かない襖

もうひと工夫をどうしようかと考えた末に、タイトルにある『錯覚壁』の考え方を取り入れることにしました。『錯覚壁』とは今回の場合、実際は動かせない、窓を抜く事もできない壁のすぐ前に日本の襖を設置することによって、その先に部屋が続いているかのような錯覚を感じさせ、「期待感」や「ぬける空気感」を出すという考え方です。

第一回目に「竹の造作建具」の話をしましたが、その建具と同じ部屋なので、襖という和の要素を取り入れることにしました。

実際はその先に部屋は続いていないフェイクの襖なのですが、自然に見えるようにこだわってデザインしました。

まず、襖のヘリを取り寄せて、その中に襖紙になるような和紙を貼っていきます。その和紙にもこだわり、有名な画家さんの絵をPCに取り込み、レイアウトなど考え、その和紙に印刷しました。

デザインは、和の要素と言っても、「竹の造作建具」でも話しましたが、ザ・和風といった感じにならないよう意識しました。神戸にも外国の方がたくさん住んでいらっしゃって、一緒にお仕事をさせて頂く機会が多くあります。そういった方々が日本のデザインってかっこいいよねと言ってもらえるような、また日本の心を取り入れるのが好きな方々にも心地良いと感じてもらえるように考えています。

襖にもこだわりを持ってデザインしたことで、より自然に、その先の期待感、空気感が出せたのではと思います。そのことでこの応接室の閉塞感が和らぎ、奥行き感を感じてもらえる効果が得られたのではと思います。

『錯覚壁』新オフィスのご紹介4

壁紙に印刷する技術

今回は、和紙に印刷をすることで、より自然なデザインで襖を表現しましたが、この技術は住宅のリノベーションの中でも様々なシーンで応用することができます。

住宅専門でさせて頂いているとなかなかそういう機会には恵まれませんが、幸いにも IDA Company は店舗設計施工なども行います。

例えば店舗のロゴマークのようなグラフィックを壁にあしらいたい場合、画家さんに壁に直接描いてもらうケースもありますが、今回のように壁紙に印刷してから貼るという方法を使うことがあります。
そういったことを数多く行う過程で、印刷や施工のノウハウや技術が溜まってきています。

住宅においてもこの印刷の技術をアクセントクロスのかわりに使用することがあります。昨今、アクセントクロスの概念も広く浸透し、採用されるお客様も多く見られますが、単に別の色のクロスを貼るだけじゃ物足りないとおっしゃる方も増えています。

そんな場合は素材感を変え、タイル貼などにする場合もありますが、今回の印刷する技術を使って印刷した壁紙をアクセントクロスとして採用することによって、よりオリジナリティあふれる空間を楽しむお客様もいらっしゃいます。

天城ショールームの玄関
IDA Companyモデルルームのアクセントクロス


日本には古くからアートを壁に飾る文化があります。掛け軸や襖、屏風なんかがわかりやすいですよね。

いつからか壁は白いもの、と決まりごとのようになっていますが、

アクセントクロスとして、お気に入りのデザインを印刷した壁紙で飾るという、そんな楽しみ方もできる技術、検討されてみてはいかがでしょうか。

『錯覚壁』新オフィスのご紹介4
IDAジャーナルとは
住宅リノベーションを手がける IDA Company(アイディーエーカンパニー) のコラムです。 リノベーションの基礎知識や、デザインやインテリアに関することを代表ブログでお届けしています。 コラムを通じて、住宅リノベーションの知識を深めつつ、私たちのことを知っていただけたら嬉しいです。

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