神戸市灘区を中心に住宅や店舗のリノベーションを行うIDA DESIGN(株式会社IDA Company)代表 伊田です。今回はIDA Companyのルーツについてお話します。
<目次>
有馬温泉の旅館改修工事
1950年代に、祖父の井田明が大工の登領として大工組を作ったところから、IDA CompanyのDNAはスタートをしました。 当時は、いわゆる下請け大工組だったので、 とにかく元気よくどこに行っても、ものづくりの汗かき仕事をやるというところからスタートしたとは聞いています。そしてある時、有馬温泉にある木造旅館の大規模な改修工事を受け負った工務店さんから特命で、 井田組が大工として入ってくれというお仕事をいただいて、そこで多大にご評価いただいたそうです。そこからその会社さんだけに限らず、神戸中の方々から重宝されて走り回ったところから、少しずつ事業が大きくなったと聞いています。
もちろんその時、私は生まれていません。だから当時の様子は想像するしかないのですが、今でも私が助けてもらっている大工さんたちの中には、当時の祖父の背中を知っている職人さんもいますし、 そういうDNAは人づてで伝承され、私にもつながっているのかなと感じています。
私は大工としての修行は積んでいないので、大工技術は祖父に劣るところはもちろんたくさんあります。しかし、技術にこだわって、ものづくりにこだわって、汗をかいて良いものを作るという思いは誰よりも持っていると思います。そして、 会社にもそういう熱い思いを持ったメンバーが集まってきてくれています。おそらく70年前、祖父が思ったものづくりへのプライドは、今も引き続き持って仕事ができていると思っています。
大工仕事から受負工事へシフト
当時から少し変化があるとすれば、いわゆる大工仕事としての発注をいただくという立場から、受け負い工事もいただくようになったということです。工務店として、ものづくりの一切の責任を持って工事全体を進める立場が多くなりました。さらに当社で行う工事の大半は自社設計なので、「ものづくりの側面」とともに「設計デザイン」も合わせて提供できるようになった事が良い特徴だと思っています。
設計をするにあたって、当たり前の話なんですが、お施主様からいろんなお話を聞かせていただき、 描いていらっしゃる理想だったり、今感じておられる課題などをお聞きして、課題解決や未来の理想にいかに近づけられるかというアイデアを出すことも大事な仕事のひとつになっています。
設計と施工、どちらも行うことの強みと責任
繰り返しになりますが、IDA Companyでは、設計も施工も自分たちで行っています。全てを自分たちがやるが故に誰かのせいにはできない立場に自らを置いていますし、 始まれば終わりを迎えるまで絶対に逃げられない環境です。言い訳のできない、逃げることのできない覚悟を持って設計施工のものづくり屋として仕事に取り組んでいるのが特徴かと思います。