アクセントクロスを上手に活用すると、色や柄によりおしゃれで垢ぬけた空間に仕上がります。一方で、部屋の印象がガラリと変わるため失敗するリスクもあります。この記事では、アクセントクロスのメリットやよくある失敗、効果的に取り入れるコツを紹介します。リノベーションでおしゃれな空間にしたいけど失敗したくない方はご覧ください。
<目次>
1.アクセントクロスとは
アクセントクロスとは、部屋のクロス(壁紙)の一部に他の面と違う色や柄のクロスを貼るインテリアの手法です。たとえば、四面ある壁のうち三面を白色にして、一面だけ色を変える、といったイメージです。
アクセントクロスの種類は以下のようにさまざまです。
素材 | 色 | 柄 |
・紙 ・織物 ・珪藻土 ・ビニール ・オレフィンなど | ・ブルー系 ・ピンク系 ・パープル系 ・ブラック系 ・オレンジ系 ・グリーン系など | ・花 ・動物 ・木目 ・ボーダー ・ヘリンボーン ・幾何学柄など |
クロスの組み合わせによって部屋の雰囲気が大きく変わります。イメージに合ったアクセントクロスを選ぶことで、ライフスタイルに合わせた空間の演出に大きく役立つでしょう。
2.アクセントクロスのメリット
ここでは、リノベーションでアクセントクロスを採用するメリットを解説します。
2.1 空間がおしゃれに見える
アクセントクロスを取り入れると、部屋のクロスが全面同じ色のときよりも、空間にメリハリをつけやすく、おしゃれな印象を与えられます。
一般的に、部屋は全て同じ色・柄のクロスで仕上げることが多いです。部屋のすべてのクロスを同じ色・柄にまとめるとシンプルで整った印象になる一方で、単調で遊び心のないデザインに感じることもあります。
一面だけクロスの色や柄を変えるなど、アクセントクロスを取り入れることで、垢ぬけたおしゃれな雰囲気に仕上がるでしょう。
2.2 好みのデザインの空間にできる
リノベーションをするのなら、理想の空間に仕上げたいものです。アクセントクロスは、理想に近づけるためのひとつの手段でもあります。
部屋のイメージを変えたいとき、最初に思いつくのが家具の買い替えです。しかし、全ての家具をひとつ変えただけではあまり変化を感じられません。全てのテイストやカラーを統一するとなると、骨が折れるものです。アクセントクロスを取り入れれば、一挙に部屋の雰囲気を決定づけられます。
たとえばシンプルながらもおしゃれで洗練された印象が欠かせないホテルライクスタイル。真っ白な壁紙を中心に、一部だけヘリンボーンの壁紙を取り入れることで、単調な空間に遊び心を加え、個性を生かした空間にできます。
このように、好みのインテリアスタイルに近づけるためにアクセントクロスを採用することで、より自分らしさのある好みの空間を実現できるでしょう。
2.3 手軽な価格で取り入れられる
アクセントクロスはコスト的に手軽に取り入れやすいのもメリットです。
壁を活用して部屋の雰囲気を変える方法には、アクセントクロス以外にもタイル貼りや石貼り、木材を貼るなどもあります。これらの方法の場合、クロス貼りと比べて費用が高くなってしまうでしょう。
アクセントクロスには紙や布などのさまざまな種類がありますが、多くの場合はよほどグレードの高い商品を選ばない限り、価格帯には大きな差はありません。つまり、全ての壁面を同じクロスにした場合と、アクセントクロスを取り入れた場合とで、費用に大きな違いはでにくいのです。
「手ごろな価格でおしゃれな空間にしたい」という方に、アクセントクロスはおすすめです。
3.アクセントクロスでよくある失敗
アクセントクロスは手ごろな価格で部屋をおしゃれな雰囲気にできるため、リノベーションで取り入れる人も多いです。ですが、ときには失敗してしまうこともゼロではありません。ここで紹介するよくある失敗を確認し、アクセントクロスの採用を成功させましょう。
3.1 色や柄にすぐに飽きる
トレンドを反映した印象的な色や柄のアクセントクロスを、リビングや寝室に大きく使うことは避けましょう。最初は新鮮ですが、何度も目にするうちに色や柄に飽きてしまう可能性が高いからです。
リノベーションは、今後の暮らしをより快適に自分らしく過ごすために行います。せっかくリノベーションで家全体の雰囲気を一新したのに、短い期間で飽きてしまってはもったいないです。
リビングや寝室など長時間過ごすことの多い空間には、どの時代でも使われている色や柄を中心に取り入れると飽きにくいでしょう。印象的な色や柄を使いたいときには、洗面やトイレなど長時間過ごすことがない空間に採用するのがおすすめです。
3.2 無難な色柄を選び目立たない
アクセントクロスは普遍的な色や柄を選ぶのがおすすめですが、一方で失敗しないよう派手なクロスを避けるあまりに、無難な色柄を選ぶのも成功とは言えません。他の壁紙との差異が生まれずにアクセントにならず、中途半端になってしまうことがあるのです。
クロスのサンプルは小さいものが多いです。実際に壁一面に貼られた場合と比べ、濃く強い印象に感じてしまうこともあるでしょう。その結果、想像よりも地味な色柄を選んでしまうことがあります。
アクセントクロスを選ぶときは、ショールームに出向いたり大きめのサンプルを確認し、よりリアルなイメージを膨らませることが大切です。経験豊富なデザイナーに意見を聞いてみるのも良いでしょう。
3.3 安っぽく見える
クロスのデザインはさまざまですが、木目調、レンガ調、コンクリート打ち放し調などのプリントは、広い面積に使うと失敗しやすいです。遠目から見ると本物そっくりでも、近くでみると立体感が無いことや、柄の連続性があることがわかり偽物感が出てしまい、安っぽく見えてしまいます。
「○○調」のように他の素材を模した柄のクロスは、質の高いプリントの物を選ぶ、もしくは狭い面に取り入れるとよいでしょう。柄の連続性が感じにくくなり、安っぽく見えにくくなります。
4.効果的にアクセントクロスを活用するポイント
アクセントクロスはうまく取り入れると理想の空間に近づけますが、失敗する可能性もあります。ここでは、効果的なアクセントクロスを選ぶポイントを紹介します。
4.1 部屋の壁面積の2割から3割を目安に
アクセントとして効果を最大限発揮させるには、貼る面積も大切です。アクセントクロスが一番映えるのは部屋の壁面積の2割から3割ほどと言われています。部屋の壁が4面だとしたら1面にアクセントクロスを使用するイメージです。
もちろん、好きな柄や色を2面以上取り入れることもできます。「柄×柄にしたいけれど、良い感じになるか心配」などあればデザイナーに相談してみてください。しっかり打ち合わせを行うことで、特別で素敵な空間に仕上がるでしょう。
4.2 部屋のカラーを3色でまとめる
アクセントクロスも含め、部屋のカラーは3色でまとめてみてください。バランスの良い色使いに仕上がりやすくなります。
まず、面積の多い床や壁の色をベースカラーとします。他の2色を家具やカーテンなどに採用する、という流れです。アクセントクロスはベースカラー以外の2色に合わせると統一感がでやすくなるでしょう。
4.3 部屋のインテリアスタイルを明確にする
インテリアスタイルとは、いわば部屋のコンセプトです。インテリアスタイルを設定すると色や素材に統一感をだしやすくなるため、おしゃれな空間をイメージしやすくなります。アクセントクロスの色や柄も選びやすくなり、失敗を減らせるでしょう。
インテリアスタイルの種類は以下のようにさまざまです。
・ホテルライク
・北欧スタイル
・ミッドセンチュリー
・カリフォルニア スタイル
・インダストリアル スタイル
・ブルックリン スタイル
せっかくリノベーションをするのであれば、好みのインテリアスタイルを探して理想の家に近づけてみませんか?
4.4 色が与える効果を活かす
色味によって空間の印象は大きく変わります。色の持つイメージの特性を理解したうえでアクセントクロスを選ぶと、イメージどおりの演出がしやすくなるでしょう。
色が与えるイメージの例は以下のとおりです。
分類 | イメージ | 具体的な色 |
暖色 | ・元気 ・明るい ・暖かい | ・赤 ・黄色 ・オレンジ |
寒色 | ・涼しい ・リラックス ・落ち着きがある | ・青 ・青緑 ・水色 |
中間色 | ・穏やか ・心地よい | ・緑 ・紫 |
モノトーン | ・モダン ・スタイリッシュ | ・白 ・黒 ・グレー |
温かみを演出したいリビングや子ども部屋には暖色系が向いていますが、一方でインパクトの強い色なので寝室や書斎などの落ち着いた空間には向いていません。このように、部屋の印象に合わせたアクセントクロスを選ぶと、失敗しにくいでしょう。
5.アクセントクロスでおしゃれな空間に
アクセントクロスとはクロスの一部に他の面と違う色や柄のクロスを貼るインテリアの手法です。上手に取り入れることで、飽きのこないおしゃれな部屋に仕上がります。
一方で、アクセントクロスは勇気がいるという方もいらっしゃいます。しかし、いくつかの工夫を凝らし、しっかりデザインと向き合うことによって、お客様にとっての好きと暮らす、好きに囲まれる空間が実現できます。IDA DESIGN(株式会社IDA Company)が、理想の空間作りのお手伝いをできたら幸いです。
IDA DESIGN(株式会社IDA Company)は神戸市灘区を中心に住宅や店舗のリノベーションを手掛ける地域密着型の会社です。ご自宅のリノベーションに関する問い合わせや、見積もりを承っておりますので、まずは気軽にご相談ください。