JOURNAL

ワタワン『アジア工房』の現場をふりかえる

神戸市灘区を中心に住宅や店舗のリノベーションを行うIDA DESIGN(株式会社IDA Company)代表 伊田です。今回は物販の店舗設計についてお話させていただきます。

1.タイトなスケジュールの店舗設計

『アジア工房』について

新たに南大阪(岸和田)にオープンした滞在型エンタテインメントモール「ワタワン」内のアジア雑貨を販売する店舗『アジア工房』の設計、施工をさせていただきました。

店舗設計には比較的よくあることなのですが、オープン日が決まっているためスケジュールに余裕がないことが多く、スピーディーに進めないといけません。

今回も複合施設自体のオープン日が決まっている中、我々設計、現場の職人さん、お施主さまにもご協力いただきながら、一緒に走りきったという感じの現場でした。

2.デザインのテーマは「宝探し」

『アジア工房』について

『アジア工房』さんはその名の通り、アジア雑貨屋さん。

今回は、インターネットでバリや東南アジアの家具・雑貨を扱われている『アジア工房(オンラインストアはこちら)』さんの、国内唯一の実店舗として計画がスタート。

お施主さまのご希望は、いかにもアジア雑貨屋さんといった感じではなく、スタイリッシュだけど手触り感を大切に、お買い物のワクワク感、宝探し感を楽しんでもらいたいというものでした。

店舗自体は、ワタワン統一のコンテナハウスという少し特殊な環境の中、そのコンテナハウスの特徴も取り入れながら、取り扱っておられる商品の魅力を最大限に引き出せる商品陳列、ディスプレイをどう見せるのかがお店づくりのポイントとなりました。

3.設計スタート〜ポイントは「商品の見せ方」

まず、ワタワン『アジア工房』の店舗で扱う商品のラインナップ把握からスタート。

インターネットで販売されている商品をサイトで閲覧しながら、スタッフと手分けし、各商品を大きさ、価格、テイスト別などにカテゴライズして一覧表をつくっていきました。実はこの作業、取り扱う商品点数が何百点にも及ぶのでかなり大変でした笑。

ただ、お施主さまの商品情報をしっかり理解しない限り、その商品の魅力を発信するお店づくりの設計にはならないという思いがあるため、そこは惜しみなくしっかり時間をかけました。

そしてこの作業を進めていくと、当初の予想通り、改めて「陳列の方法が重要なポイント」になると感じました。ですので、お施主さまとの打ち合わせは「商品の見せ方(どの様に陳列するか)」を詰めていくことになりました。

打ち合わせを進めていく中で最終的には造作什器を数十台、また現地でも棚の造作工事をすることになりました。

4.施工スタート〜造作家具をたくさん作る現場となる

今回のワタワン『アジア工房』では、店舗自体の工事はもちろん実施したのですが、割合の半分が家具工事でした。造作家具をたくさん作る現場です。私たちは、住宅設計においても普段からキッチンや洗面台などの造作家具をつくるのですが、今回はそういった現場とは違い、いろいろな場所で同じような大きさの物を何個も作るということが特徴となりました。各作業を振り分けながら現場作業と家具工事を同時並行で進めて、最終的に現地で組み上げるということです。

いろいろな場所でいろいろな人が一つの現場のものづくりに向けてのチームワークは、とても頼もしく、楽しくもありますが、スケジュールがタイトなこともあるのでヒヤヒヤした部分もありました笑

5.こだわりのモルタルアート

『アジア工房』について

ワタワン『アジア工房』に訪れる機会があれば見ていただきたいのですが、今回、モルタルアートという素材を使っています。

モルタルと聞くとフラットな表面でありながら、色ムラがあり独特の風合いを持つことから人気のある素材ですが、この素材の弱点はひび割れを起こしやすいことや、薄くすると剥がれてしまうといったことがあります。今回の店舗のイメージとしてモルタルの風合いを取り入れたかったので、木工で作った家具などにも薄く塗れてモルタルの風合いが出せるモルタルアートという素材を採用しました。

また、造作家具屋さんでつくった家具と、現地で大工さんが作った家具の相性を合わせるため、使う樹種を合わせることや、塗装は一日で行うなどして、統一感を持たすようにしました。

同じく、トータルコーディネートを意識し、什器の取手やハンドルはお施主さまの商品を使わせてもらったりしています。

上記に挙げた内容はほんの一部ですが、こだわりを持ってデザインや施工を進めていきました。

『アジア工房』について

今回の商業施設ワタワンのテーマが「等身大の非日常。」多様な人々がジャンルや価値観をこえて混ざり合う。滞在型エンターテインメントモール。

こういったことやオーナーさまのご要望の宝探しみたいに感じるお店をキーワードにして、ベビーカーや小さなお子さんと手を繋いでお買い物を楽しんでいただけることもイメージしてデザインしました。

お店の商品の魅力を引き出すよう考えた店内と素敵な商品がたくさん並べられておりますので、お近くにお寄りの際はぜひ立ち寄っていただけたらと思います。

【アジア工房 WHATAWON店】
住所:〒596-0817 大阪府岸和田市岸の丘町1-32-1 WHATAWON
TEL:070-9292-4430

アクセス:
<お車の場合> 阪和道岸和田和泉ICから5分/駐車場あり(有料)
<電車の場合> 南海電鉄 岸和田駅 → JR阪和線下松駅 → ゆめみが丘
路線バス 岸和田駅から約20分、下松駅から約12分

営業時間:10:00~17:00(曜日により異なります)
定休日:不定休


→ワタワンのウェブサイトはこちら
→アジア工房のページはこちら
→アジア工房のオンラインストアはこちら

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IDAジャーナルとは
住宅や店舗のリノベーションを手がける IDA DESIGN(アイディーエーデザイン) のコラムです。 リノベーションの基礎知識や、デザインやインテリアに関することを代表ブログでお届けしています。 コラムを通じて、住宅リノベーションの知識を深めつつ、私たちのことを知っていただけたら嬉しいです。

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