リノベーションを行う際、多くの方が設置を検討するウォークインクローゼットですが、本当に便利なのでしょうか?この記事ではウォークインクローゼットの種類や設置するメリット・デメリットを紹介します。設置を成功させるためのポイントも解説しますので、ウォークインクローゼットを作るかどうか迷っている方はご覧ください。
<目次>
1.ウォークインクローゼットとクローゼットとの違い
クローゼットは衣類を収納する場所ですが、通常のクローゼットの他にウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットなどいくつか種類があります。ここでは、代表的なクローゼットの種類を紹介します。
1.1.クローゼットとは
クローゼットとは洋室に設置されている、ハンガーパイプが取り付けられている洋服の収納です。衣類の幅にあわせた寸法で作られており、奥行きは50-60cm程度のことが多いです。洋服の収納がメインで奥行きが少ない分、収納したものを一目で確認でき、探しているものを見つけやすいでしょう。居住スペースを広く確保できるのもメリットといえます。ただし、奥行きが限られるため、スーツケースやゴルフバックなど大きいものの収納には不向きです。
1.2.ウォークインクローゼットとは
ウォークインクローゼットとは人が歩いて入れる広さのあるクローゼットのことです。収納効率を上げるために棚やハンガーパイプなどが設置されています。さらに、収納スペース内に出入りできるため、物の出し入れがしやすく、たくさんの物が収納できるのがポイントです。掃除用具や家具など、洋服以外の収納にも活用できるでしょう。
1.3.ウォークスルークローゼットとは
ウォークスルークローゼットとは、ウォークインクローゼット同様に人が歩いて入れる広さのあるクローゼットです。ウォークインクローゼットとの違いは、出入り口が2箇所あり、通り抜け可能なレイアウトになっていること。たとえば居室から居室、居室から洗面スペースをつなぐ位置に作られることもあります。
2.ウォークインクローゼットのタイプ
人が入れる大きさのウォークインクローゼット。種類はひとつだけではありません。「ハンガータイプ」「全面収納タイプ」などの備え付けのウォークインクローゼットのほか、市販品を後から購入する「ユニット棚タイプ」「タンス棚タイプ」などさまざまです。それぞれメリット・デメリットがありますので、費用や使い方に合わせて選びましょう。
2.1.ハンガータイプ
ハンガータイプはハンガーパイプを壁に設置したウォークインクローゼットです。
ハンガーがかけられるようになっているため、洋服を畳まずにたくさん収納ができます。ファッションにこだわりがあり、洋服をたくさん持っている方や服をたたむのが面倒な方におすすめです。なお、設置費用が比較的安いのも特徴のひとつ。
かける収納がメインとなっており小物は収納しにくいため、小物もウォークインクローゼットの中に収納したい方は別途棚の設置が必要になります。
2.2.全面収納棚タイプ
全面収納棚タイプはスペース全面にシステム収納棚を設置しています。
洋服だけでなくバッグや帽子、靴などの小物が収納しやすいのが特徴です。ハンガータイプと比べて収納スペースがたっぷりあるため、物が多くなりがちなご家族にも適しているでしょう。
2.3.ユニット棚タイプ
ユニット棚タイプとは、ニトリやIKEAなどで販売している市販のユニットタイプのラックやキャビネットをウォークインクローゼット内に設置したタイプのことです。
棚板の調整など、必要に応じてカスタマイズしやすいのがポイントです。市販のキャビネット等の設置のほうが、作り付けで棚や引き出し等のシステム収納を施工する場合よりも費用的に安いこともあります。
ただし、無駄なスペースや使いにくさが生じたり、搬入組み立て等の手間がかかるデメリットもあるため注意が必要です。
2.4.タンス収納タイプ
タンス収納タイプとは、ウォークインクローゼット内に既存のタンスをならべるなど一か所にまとめて設置する方法です。各部屋に収納家具を置かなくてよいため、部屋をスッキリ使えます。また、古いタンスを再利用することで、資源を無駄にすることなく空間を有効活用して古い家具に新しい目的を与えることができます。
なお、古いタンスを再利用する場合、必要があればこのタイミングで修復やリフォームを行うと良いですね。ヒンジや取っ手の修理、塗装や表面のリフレッシュなどを行って外観を美しくしたり、引き出しの追加や棚の調整、仕切りの取り付けなどを行い、収納スペースを効果的に利用できるようにしましょう。
3.ウォークインクローゼットのメリット・デメリット
ウォークインクローゼットを設置するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・出かけるときに準備がしやすい ・物の管理がしやすく、大きな荷物も出し入れしやすい ・衣替えが楽になる ・居住スペースがすっきり快適になる | ・広いスペースが必要になる ・管理できないと物置になってしまう |
3.1.ウォークインクローゼットのメリット
ウォークインクローゼットを設置するメリットはさまざまですが、ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。
■ 出かけるときに準備がしやすい
ウォークインクローゼットは収納力が高いため、衣類や帽子などの小物類を一緒に収納できます。身支度用のスペースとしてまとめておけば一気にコーディネートが完成できるため、忙しい朝でも時間を効率的に活用できます。また、帰宅後も小物や上着を一か所に収納すれば良いため、片付けやすいでしょう。
■ 物の管理がしやすく、大きな荷物も出し入れしやすい
ウォークインクローゼットは収納スペースが広く見渡せるので、どこに何があるか一目瞭然です。「あれ、どこにしまったっけ?」など物を失くすことも減らせます。大きいスーツケースやゴルフバックも収納でき、出し入れしやすいのもポイントです。
■ 衣替えが楽になる
ウォークインクローゼットは収納スペースが広いため、季節物も分けて収納できます。タンスの中を全てひっくり返して中身を入れ替えるといった大掛かりな衣替えの必要がありません。「春なのに寒い!」なんて日も冬物をすぐに取り出せるでしょう。
■ 居住スペースがすっきり快適になる
ウォークインクローゼットがあれば収納スペースを集約できます。あちこちに収納のためのタンスやラックを用意する必要がなくなるため部屋がスッキリするでしょう。生活感も減らせるため、来客時にもモデルハウスのような印象を与えられます。
3.2.ウォークインクローゼットのデメリット
ウォークインクローゼットの設置にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもゼロではありません。メリット・デメリットの両面を把握したうえで設置を検討しましょう。
■ 広いスペースが必要になる
ウォークインクローゼットを設置するには、クローゼットよりも広いスペースが必要です。リビングや寝室などのスペースがが削られてしまい、居住空間が狭くなってしまうでしょう。そのため、ウォークインクローゼットを設置する際には、他の部屋のスペースを考慮したうえでサイズを決定することが大切です。
■ 管理できないと物置になってしまう
ウォークインクローゼットは広くてたくさん収納できるのがメリットですが、その半面、適当に詰め込んでしまうと溢れてゴチャゴチャになりやすいです。探しているものが見つからなくなり、ただの物置になってしまわないように気を付けて管理する必要があります。コツは収納するときに定位置を決めることです。毎回同じ位置に収納すると出し入れもしやすくなり、ウォークインクローゼットを最大限活用できるでしょう。
4.リノベーションで実現!ウォークインクローゼットで失敗しないポイント
ウォークインクローゼットはリノベーションすると設置できますが、失敗しないためには配置や広さなどをよく考えておく必要があります。ここでは、ウォークインクローゼットを設置する際のポイントを紹介します。
4.1.配置
配置はライフスタイルにあわせて決めるとより使いやすくなります。おすすめの配置場所は以下の3つです。
■ 寝室につづく場所
寝室にウォークインクローゼットを設置すると、就寝前や起床後の着替えが楽になります。来客時に収納スペースを見られることもないため、生活感を隠せるのもポイントです。
■ 洗面室・家事室に隣接する場所
多くの家庭では、洗顔やメイクの後に身支度する流れが多いでしょう。そのため、洗面室にウォークインクローゼットを設置すると身支度に便利です。家事室に隣接する場所に設置し、乾燥終わりの洗濯物やアイロンをかけたあと衣類を収納する動線を作っても使い勝手が良いためおすすめです。
■ 廊下・玄関周辺
廊下や玄関周辺にウォークインクローゼットを設置すると、帰宅後にすぐに着替えができます。他の部屋に寄らなくてもコートや小物も収納できるため便利です。家族みんなの衣類を収納するファミリークローゼットとして設置した場合、動線を確保した間取りを作りやすいのもメリットでしょう。
4.2.広さ
衣類や小物を一か所にまとめられるウォークインクローゼットのメリットを活かすためには、ある程度の広さを確保する必要があります。そのうえで、居住スペースを圧迫しすぎないよう収納する荷物の量を考えるバランスが大切です。収納する荷物の量や用途によって適切な広さは変わりますが、一般的には「住む人の人数×畳数」が目安になるといわれています。
4.3.湿気対策
ウォークインクローゼットを設置するときには湿気対策も欠かせません。湿気がこもりやすい場所に設置するとカビや汚れの原因となり、大切な洋服が傷んでしまう可能性があります。換気扇や換気ファンを設置したり、サーキュレーターを使ったりすると湿気対策に便利でしょう。
ウォークインクローゼットに窓をつけて換気する方法もありますが、日光で衣類が日焼けしないよう注意が必要です。また、冬場は結露の発生により湿度が上がる恐れもあります。
4.4.コンセントの設置
ウォークインクローゼット内にコンセントを設置するのもポイントです。コンセントがあれば、換気のためにサーキュレーターや除湿機を使ったり、コードレス掃除機の充電に使ったりできます。衣類用のスチームアイロンを使用する場合にも便利です。
5.活用するコツ
ウォークインクローゼットをうまく活用するにはコツがあります。以下の3つのコツを意識してみましょう。
5.1.手前によく使うものを置く
ウォークインクローゼットは奥行きが広いため、手前によく使うもの、奥には使用頻度の少ないものを置くのコツです。たとえば、シーズンものは手前、シーズンオフのものは奥にすると出し入れがしやすくなるでしょう。
5.2.物の定位置を決める
物の定位置を決めないと、ただの物置になるリスクが高まります。使用頻度の低いものは上部の枕棚に収納、使用頻度の高いものはハンガーパイプにかけるなど、物の定位置を決めましょう。
種類や特徴別で仕分けして収納するのもおすすめです。ハンガーパイプにかけるものでも丈の長い物と短い物に分けると見やすくなります。
5.3.詰め込みすぎない
ウォークインクローゼットは詰め込み過ぎないのもコツです。スペースに余裕があると物の出し入れがしやすくなるため使いやすくなります。また、風通しがよくなり衣類が傷みにくいのもメリットです。
収納量は7〜8割程度を目安にすると良いでしょう。
ライフスタイルや家族構成に合わせて最適な収納を
ウォークインクローゼットはハンガータイプや全面収納棚タイプなど、さまざまな種類があります。ご自宅の広さや収納用途、収納量などライフスタイルに合わせたウォークインクローゼットを検討しましょう。
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